ワクチン接種は「ジェンナー」の心で

    ワクチン接種は「ジェンナー」の心で(「院内報号外」令和3年8月6日)

         ~高齢者には慎重に、若者には安心を~

 

 訪問患者さんのワクチン接種が終了しました。今回、当院では、先行しているメッセンジャーRNAなどの核酸ワクチンについては、副反応への懸念から、訪問患者さんに限定して接種を行いました。様々な疾患を抱えた80代から90歳を超える方達が対象です。接種を予定していた方のうち二人の方が、脳出血腎盂腎炎で入院になってしまい、予定から外れました。常にこうした病気の危険にさらされているのが、訪問診療の対象になる患者さんです。そうした方達に、特に今回のようなワクチンを接種するには、慎重の上にも慎重を期して臨む必要があります。

 今回、2月中旬から7月初旬まで、この新しいワクチンを受けた方約3800万人のうち、556人の方が接種後に命を落としております。もちろん、関連性が認められないと思われる方もたくさんおられますが、接種当日や翌日に亡くなられた方が130人近くおられます。ワクチン接種の目的は、あらかじめ抗体をつくり、これから侵入してくるウイルスへの抵抗力を得ることにあります。ある程度の体力があると判断された方でなければ、この目的は達成されません。しかし、接種後短期間で亡くなられた方達の報告を見てみると、癌の末期で、ほとんど体力も残っておられないと思われる方や、老衰でいつ亡くなられてもおかしくない方が多いようです。このワクチンの副反応が未知であるならば、なおさらこうした方への接種は慎重であるべきではないでしょうか?

 また、現在、多くの一般の若い方達への接種がすすめられております。今回のワクチンは、将来的な副反応についてのしっかりとした検証が済んでいないまま接種が開始されており、今後何回もの接種が必要のようです。これから何十年もの人生を前にした若い方達が躊躇するのは当然です。

 ジェンナーが、我が子に天然痘のワクチン接種をしている有名な大理石の像があります。接種を受けている子供は決してすすんで受けているようには見えません。しかし、この像が時を越えて人々の感動を呼ぶのは、子供の健康と幸せを願うジェンナーの真剣な眼差しと、大きな暖かな心をそこに感ずるからではないでしょうか?もしジェンナーの心が「集団免疫獲得のためにお前達にも受けてもらわなければ困るんだ」、というものであったなら、おそらく一顧だにされない像だったと思います。

これから若い方達に接種を勧めるのであれば、それが、本当に、彼ら、彼女らの健康と幸せを願ってのものなのか、今一度、私達医療に携わる者は、また全ての大人達は、自身に問いかけてみる必要があるのではないでしょうか?

従来の製造法で作られるワクチンの登場や、重症化を防ぐイベルメクチンなどの安全な薬剤の普及が待たれます。

 

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(資料)ジェンナーによる我が子への天然痘ワクチン接種の像


                      くすのきクリニック 院長