「くすのきの木陰から」(第5号)人口甘味料 (院内報。隔月発行)
人口甘味料で太る? 「微糖」に御注意!
体重増加に悩む方や糖尿病の方の救世主として、人工甘味料は広く用いられております。砂糖の200倍~10000倍の甘さがあるにもかかわらず、血糖値を上昇させず、肥満も防止でき、しかも安価、という宣伝は消費者にも生産者にも、魅力的です。
しかし、最近、欧米を中心にこの人工甘味料の危険性についての研究が多数行われ、その結果、「血糖値を上げる」、「体重を増加させる」、「強い依存性を持つ」、「発がん性が否定できない」など、これまでメーカーが振り撒いてきたイメージとは異なる結果が次々と明らかになってきております。
その結果、アメリカでは、現在、様々な議論が行われております。しかし我が国では、ダイエット・コーラ、微糖コーヒー、スポーツドリンク、ノンアルコールビールなどの様々な飲み物や、菓子・食品に人工甘味料が大量に使われているにもかかわらず、あまり問題にされておりません。成分表に、「アスパルテーム」、「アセスルファムK」、「スクラロース」「ネオテーム」などの表示があるものには注意が必要です。
また、天然の糖分でも、肥満を悪化させる危険性を指摘されているものがあります。ミシェル・オバマ(オバマ元アメリカ大統領夫人)が先頭に立って、アメリカの子供達を肥満から守るために排除運動を展開しているトウモロコシ由来の甘味料です。アメリカでは過去50年の間に、清涼飲料水の消費が5倍に伸び、肥満人口が2倍以上になったのですが、その元凶がこの甘味料(コーンシロップ)だと言われております。
我が国でも大量に使われておりますが、やはりあまり問題になっておりません。成分表に「果糖ぶどう糖液糖」、「ぶどう糖果糖液糖」「異性化糖」等の表示があります。甘い物を摂るときには、宣伝に惑わされず賢い選択が必要のようです。甘味には、疲労回復、気分転換の大切な効果がある一方、依存性もあります。過度に甘い物に頼らず、趣味や、体を動かすことでリフレッシュ致しましょう!
院長 廣部 芳晴
<おしらせ>
*これから暑さが厳しくなって参ります。充分な水分と共に、塩分も多少多目に摂って、熱中症に注意しつつ、三密を避けて少しでも体を動かしましょう!(先日、男性にも「日傘」をおすすめする院長のエッセーが新聞に掲載されました。御笑覧ください)
*発熱のある方は、受診前に連絡をお願いします。
045(833)5855 くすのきクリニック
時間外・休診時の対応につきましては別紙をご覧ください。