「くすのきの木陰から」(第3号) (院内報。 隔月発行。)   「新型コロナワクチンについて」

いよいよ新型コロナワクチンが登場し、接種が開始されております。今回のワクチンについては、多くの方が、期待と不安の入り混じった思いを抱いているのではないでしょうか?「95%感染を抑えられる可能性がある」、という速報が伝えられ、期待を膨らませられました。しかし、あまりにも短い期間で開発され、実際に接種が開始されていることに対する不安もまた大きいのではないのでしょうか。接種の順番が迫る中、私達は何を基準に、接種すべきかすべきでないかを判断したら良いのでしょう?

私は次のように考えております。もし今コロナに感染したら重症になりやすい、もともとの御病気を持っていて、しかも年齢的にも高齢者の範囲に入る方は、接種を選択されてもいいのではないかと考えます。重症になりやすい病気とは、「慢性の呼吸器疾患(気管支喘息慢性閉塞性肺疾患COPD))」、「コントロールされていない糖尿病」、「狭心症心筋梗塞」、「進行した腎臓病」などです。しかし、これらの御病気にも程度があります。御自身の状態については是非私の方にご相談ください。そして、これらに当てはまらない方、特にこれから結婚・妊娠を控えている方は、まだ長期的な未知の副作用が懸念されているワクチンですので、接種についてはしばらく様子をみた方が良いのでないかと考えます(従来の方法で作られるワクチンも、現在開発途上にあります)。

接種するしないにかかわらず、日常の感染予防が大切です。栄養と睡眠を充分にとり、3蜜を避けてしっかり歩くこと。もちろんマスク・手洗い・うがいも忘れずに。毎回申し上げることですが、このコロナを、御自身の生活習慣を見直すチャンスに致しましょう!

 *当クリニックの新型コロナワクチンに対する方針を改めて以下に記載致しました。

                                                                                                          院長 廣部 芳晴

 

<おしらせ>

 *2か月近くになる緊急事態宣言下で、皆様には精神・身体的にストレスが蓄積しておられることと思います。生活習慣病を抱えている方にとって、外を歩くことは是非とも必要なことで、不要・不急の外出にはあたりません。どうぞ、他の方のいないところでは、(花粉症の無い方は、マスクを外して、深呼吸をしながら)元気よく歩きましょう!

 

*「手洗い」、「うがい(+歯磨き)」、「マスク着用」の励行で、コロナ、インフルエンザをしっかり予防しましょう!

 

*発熱のある方は、受診前に連絡をお願いします。

        045(833)5855  くすのきクリニック

   時間外・休診時の対応につきましては別紙をご覧ください。

 

 

 

    「新型コロナワクチンに対する当クリニックの方針」

 

 我が国でも、新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されました。

このワクチンについては情報が少なく、どのようなワクチンなのか理解が行き届かないまま接種が進められようとしております。

 大切な自分の体に入れる物については、御自分で責任を持たなければならないのは当然です。集団免疫獲得という政府の方針もありますが、御自身が後悔しないためにも、決して回りの雰囲気だけで接種を決めたり、強要されたりして決定してはならないと考えます。

 接種するか否かの判断材料は二つあるように思います。それは、「どのようなワクチンなのか?」ということと、「今自分は接種すべきなのか?」ということになるかと思いますので、以下に説明させて頂きます。

 

 1、どのようなワクチンなのか

 

   ①人類に初めて接種されるワクチン

 

 インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンのような、毒性を無くしたウイルスの一部を接種し、それに対して抗体を作るものとは全く異なる方法で作られたワクチンです。    

 コロナウイルスのスパイクタンパク質の設計図(核酸(遺伝子))を直接接種し、被接種者の細胞の中で同じスパイクタンパク質を作らせ、それによって抗体を作らせるワクチンです。

 これまで厳しい規制のもとでわずかに行われてきた遺伝子治療と同じ、もしくは、ファイザー社等の場合、更に新しいまったく経験のないメッセンジャーRNAという核酸を用いた、半年という短期間で作られた(通常は5~10年かかる)ワクチンです。

     

(ウイルスの回りを取り囲む突起が「スパイク」)

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     ②「被接種者」の遺伝子に影響を与える恐れがある

 

  遺伝子治療が厳しい規制の元に行われるのは、遺伝子が間違った場所に組み込まれ   た場合、癌を発生させたり、5~10年後に様々な影響が出現する恐れがあるからです。また、遺伝子組み換え食品が、各国で様々な規制を受けているのも、それらを摂取したことによる影響が、数年後もしくは、世代を超えて出現することが心配されているからです。今回のワクチンでは、遺伝子組み換え食品摂取を上回る人体への影響が懸念されます。

 「メッセンジャーRNAは、被接種者の遺伝子には影響を与えず、細胞内で分解される」と言われてはおりますが、まだ多くの人による検証が済んでおりません。

 

 2、今自分は接種すべきなのか?

 

  ①新型コロナウイルスに感染すると、高齢者は重症化しやすく、若年者はその危険  は少ないことがわかっております。

 

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 昨年11月の統計によれば、年代別の重症化率は上記の表の通りです。この表からすると、若い人ほど、この未知の副反応のリスクを持ったワクチン接種のメリットは少ないと考えられます。

   ②新型コロナウイルス感染症は、持病(基礎疾患)を持っている人ほど重症化しやすい。

  重症化しやすい基礎疾患は以下の通りです。一概に年齢によって判断せず、御自分のリスクとワクチンの安全性について主治医とよく相談して接種の判断をする必要があります。

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 3、従来の方法によって作られるワクチンも開発途上にある。

 

 現在、以下の通り、様々な方法でワクチンが作られつつあります。この中で、従来の方法で作られるワクチンは「不活化ワクチン」と「組み換えタンパクワクチン(成分ワクチン)」です。図にある通り、これらは承認に至るまで、まだ時間がかかります。しかし、大切なご自身の体に入れるものですので、少なくとも接種するなら、これらの、少しでも素性の知れたワクチンにすべきではないかと考えます。

 

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                                        (資料:Answers news(一部改変))

*「KMバイオロジクスの不活化ワクチン」と、「塩野義製薬、ノババックスの組み換えタンパクワクチン」が従来の方法によるワクチン

 

当クリニックにおきましては、これまで患者様に、当然のことですが、私自身が安全で有効と考える薬剤や注射や検査しかおすすめしてきませんでした。当クリニックのそうした方針からしますと、このワクチンは残念ながらその中に入りません。ただ、上記の情報をよく考えて、やはり、自分は今回接種したいとの御希望があれば、当院にても接種させて頂きます。どうか良くお考えの上ご選択頂ければ幸いです。

                         くすのきクリニック

                            院長 廣部 芳晴

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核酸(mRNA、DNA)ワクチンの若年者への接種は避けるべきでは?

 

我が国でも接種が始まった核酸(mRNA、DNA)ワクチンは、1年前までは、まだまだ実際の使用にはハードルが高い物だったとのことです。しかし、このコロナ旋風を機に、一気に一番手に踊り出てきました。

 原理的には、作物の遺伝子組み換えに使われる代表的な2つの手法に近いように思います。一定の割合で生ずる、組み換えミス、転写ミス、翻訳ミスに対しては、作物の場合は、それらは人為的に除去され、「寒さに強いトマト」など、目指す性質を持つものだけ残します。それでは人間の場合は?

 本来なら、これらのミスを限りなく少なくするために、一定期間の厳しい基準に基づいた検証が必要です。しかし、今回は、社会的・経済的な要請に押されて、わずか半年から1年という短期間で接種を開始しました。政府もマスコミも、長期的な副反応は見ないことにしているように思います。接種直後の副反応だけに焦点を当てて、ことさらその安全性を印象付けようとしているようです。

 これから何十年もの人生を歩んでゆく若い方が、優先接種の医療関係者には数多くおります。本当に今、このワクチンを、これら若い方達に接種していいのでしょうか?集団免疫という目的のために、高齢者ほど発症の危険が少ない若い方達に、将来の健康が危惧されるこの種のワクチンを接種して良いのでしょうか?

 緊急事態宣言などで、国民がこの問題についての十分な情報と時間を与えられないまま、接種のスケジュールだけが報じられ、一番大切なこのワクチンの本質についての議論が、ほとんどなされていないように感じます。

 ウイルス学者、免疫学者など専門の方は、もちろんこのワクチンの長期的な副反応については、全く分かっていないことを知っておられることと思います。そして、学問的な興味にもかられていることと思います。

しかし、今、このわずかな検証しか経ていない段階で、皆さんのお子さんにこのワクチンの接種をすすめられますか?

多くの国民は医療者を信頼して、医療界から問題が指摘されないのなら多分大丈夫だろう、と思われているのではないのでしょうか?国民の信頼を裏切ってはならないと思います。

 私自身は内科のクリニックを経営しておりますが、今回のワクチンについては、コロナへの感染により生命が脅かされ危険性のある方にのみ、もし御本人の希望があれば接種を勧めております。高齢者だからといって一律には勧めておりません。私は69歳で高齢者に分類されますが、患者さんに指導する立場でもありますから、高血圧の持病もしっかりコントロールしております。集団免疫の観点からすると非難されるかもしれませんが、私自身は、上記の理由から今回のワクチンを接種するつもりはありません。

 ここは拙速を避けて、少なくとも従来の方法で作られる「不活化ワクチン」「成分ワクチン」の登場を待つべきではないでしょうか?これらも遠からず臨床試験を終了すると聞いております。

 報道では、ワクチンの供給が遅れているとのことです。そうであればなおさら、接種を優先すべきは、重篤な基礎疾患を持っていて、しかもこのワクチンの安全性についての情報を理解した上で、なお希望のある方に限定すべきではないでしょうか?世界ではこのワクチンの供給が一部の先進国に独占されているとも聞きます。重い基礎疾患を持つ発展途上国の方に回してあげることも大切な国際協力になるのではないでしょうか?

 

 

 

Should young people be inoculated with nucleic acid (mRNA, DNA) vaccines?

 

 Nucleic acid (mRNA, DNA) vaccines, which are being used inoculation in Japan, were considered to impractical for actual use until a year ago. However, owing to COVID-19 sensation, this usage has jumped up at once.

In principle, I think it is similar to the two typical methods used for genetically modified crops. For crops that occur at a certain rate, such as mistake of recombination, transcription errors, and translation errors, they are artificially removed, leaving only those with the desired properties, such as "cold-resistant tomatoes."

So what about humans?

 

Originally, in order to reduce these mistakes as much as possible, verification based on strict standards for a certain period of time is required. However, this time, due to social and economic demands, we started inoculation in a short period of only half a year to a year. It seems like the government and the media have decided not to see long-term side reactions. It seems that they are trying to impress their safety by focusing only on the side reactions immediately after inoculation.

There are many young people who will live for decades to come, among medical personnel with priority vaccination. Is it really okay to inoculate these young people with this vaccine now? For the purpose of herd immunity, is it okay to vaccinate young people, who are less at risk of developing the disease as older people, with this type of vaccine, which is of concern for future health?

 

I feel that just as the state of emergency, etc., did not give the public enough information and time on this issue, only the vaccination schedule was reported, and there was little discussion about the essence of this vaccine, which is most important.

Specialists such as virologists and immunologists, of course, know that the long-term side effects of this vaccine are completely unknown. And I think you are also interested in academics with this situation.

But can your child be vaccinated with this vaccine now, after only this slight verification?

Isn't it supposed that many people trust medical professionals and think that it's probably okay if the medical community doesn't point out the problem? I don't think we should betray the trust of the people.

 

I myself run an internal medicine clinic, but I recommend this vaccine only to those who are at risk of life threatening complications due to the infection with COVID-19, if they wish. We do not recommend it uniformly just because it is an elderly person. I am 69 years old and classified as an elderly person, but since I am also in a position to instruct patients, I also control the chronic illness of hypertension. It may be criticized from the point of view of herd immunity, but I myself do not intend to get this vaccine for the above reasons.

Shouldn't we avoid the hassle and wait for the appearance of at least "inactivated vaccines" and "component vaccines" made by conventional methods? I have heard that these will soon be completed in clinical trials.

 

According to media reports, the supply of vaccines has been delayed. If so, shouldn't vaccination be prioritized only for those who have a serious underlying illness and who have an understanding of the safety of this vaccine and still wish to do so? I also hear that the supply of this vaccine is monopolized by some developed countries in the world. Isn't it important for international cooperation to send it to developing countries with serious underlying diseases?